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IT経営と人材育成

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 ロボットや人工知能が普及すると、人間は何をするのだろうか、仕事がなくなるのではという懸念が、いろいろ な場所でささやかれています。たしかにかなりの場面で人の代わりを務め、仕事自体がなくなりそうです。


 いままでも、産業革命をはじめ、歴史の転換点では、多くの仕事がなくなりました。今、ITビジネスの世界でもクラウド時代になるとSI受託や代理店ビジネスがなくなる、あたかも黒船襲来とばかりに仕事がなくなることが懸念されています。しかし、クラウドになればれなるほど、どのようにクラウドを活用したらいいかという支援の仕事は必要だといわれています。減る仕事の一方で、 増える仕事もあり、要は仕事を変えればいいのです。


 しかし、すぐに変われない、知識がない、経験がないと、自分の変革をしぶる人もいます。それまでの経験だけで仕事ができるはずもなく、学び直しが必要になります。しばしば、学生時代にもっと勉強しておけばよかったという声を聞きますが、それは 何を学びたいかがはっきりしたのです。決して学生の時に何もしなかったわけではないのです。仕事から新しい知識へのニーズが生まれるのです。しばしば「学ぶ時間がない」という人もいますし、「勉強ばかりして売上げが増えるのか」という経営者もいます。しかし、学びのない提 案が顧客を感動させることができるでしょうか。退職して時間ができたら学べるでしょうか。忙しいからこそ、学びたいと思うのです。


 かつて、私の部下が仕事をしながら夜間の大学院に行きたいといってきました。2つ条件をつけました。学んだことを部内で知識共有を図ること、仕事を時間内に終了させ、仕事を理由に遅刻、欠席しないことです。彼は、無事、優秀な成績で修了し、大きく成長し昇進しました。


 認められるためにもっといい仕事をしたいと思うならば、学ぶ時間を確保することは現代の知識社会では必須です。そのために、業務の効率化、 改革を進めることが、業務の生産性を高め、学ぶ時間を作り、個人の成長につながるというのは、間違いないと思えます。

 

松島桂樹